JR新旭駅の南約1.7kmにある、天台真盛宗の寺院です。平安時代、最澄の開基と伝えられ、もとは熊野山の堂立山（どうりつやま）にありましたが、のちに延暦寺の飛地境内の一区であった現在地に移され、大変栄えたといいます。戦国時代、織田信長の兵火により全焼しましたが、織田信澄（のぶずみ）の帰依（きえ）によって護持（ごじ）され、信澄は大溝（おおみぞ）城下に別院を建立しました。現在の本堂は大正時代に再建されたものです。
　本堂に安置されている本尊の大日如来坐像は、国の重要文化財に指定されています。平安時代の作で、像高74.5m、檜（ひのき）材一木造で全身に漆箔（しっぱく）が施されています。これとは別に、像高90cmの木造観音菩薩立像があり、本尊と同時代の作といわれています。
〈重文〉木造大日如来坐像